Q.便秘は食生活で改善する?

なかなか他人に相談しづらいお悩みのひとつ「便秘」。
今回は、便秘のタイプで、改善のための食生活についてご紹介します。

1.便秘とは
2.弛緩性便秘について
3.痙攣性便秘について
4.直腸性便秘について

1.便秘とは

便秘が続くことで、排便が困難になるほか、腹痛や食欲不振、さらには肌荒れや肩こりなど全身に影響し、お困りの方もいらっしゃるかと思います。

そもそも便秘とは、「3日以上排便がない状態、または毎日排便があっても残便感がある状態(日本内科学会より)」のことを言います。

便秘の原因は、「器質性便秘」「機能性便秘」の2つに大きく分けられます。

1)器質性便秘

「器質性便秘」は、大腸がんや腸閉塞などの、腸管の疾患が原因で起こります。
そのため、病院で根本的な疾患の治療を行う必要があります。

2)機能性便秘

「機能性便秘」は、腸管の機能の異常が原因で起こり、「弛緩性便秘」「痙攣性便秘」「直腸性便秘」のさらに3つに分類されます。

タイプによって対処法が変わるため、ご自身がどのタイプなのかを把握しておく必要があります。

2.弛緩性便秘について

1)弛緩性便秘とは

弛緩性便秘とは、腸管の緊張が緩んで大腸の運動が十分に行われず、大腸内に便が長く留まってしまい、水分だけが過剰に吸収されて、便が硬くなるタイプの便秘です。
日本人の常習性便秘の、約2/3がこのタイプだといわれています。(厚生労働省より)

2)栄養・食生活のポイント

①朝起きたらコップ1杯お水を飲みましょう
②食物繊維を積極的に摂りましょう
★水溶性食物繊維として果物や海藻、こんにゃくなど
★不溶性食物繊維として野菜やきのこ類、豆類など
を摂りましょう。

③腸内環境を良好にしましょう
ヨーグルトや納豆など、発酵食品を積極的に摂って、腸内の善玉菌を増やしましょう。

④腸を刺激する食品を活用しましょう
果物やお酢の酸、香辛料などを適度に摂ることで、腸が刺激されて排便を促してくれます。

また、運動やマッサージを行うのも、大腸の運動を促進してくれます。

⑤食事をしっかり摂りましょう
食べる量が少なくなってしまうと、便意が起きにくくなるため、注意が必要です。
食事の量も気をつけましょう。

3.痙攣性便秘について

1)痙攣性便秘とは

痙攣性便秘とは、副交感神経が興奮しすぎることで大腸が過度に緊張し、便が上手く運ばれず、ウサギのフンのようなコロコロとした便になるタイプの便秘です。

お腹が痛くなりやすかったり、便秘と下痢を交互に繰り返すこともあります。

2)栄養・食生活のポイント

①水溶性食物繊維を摂りましょう
 いも類や果物、海藻などを摂りましょう。

②刺激性のある食品は避けましょう
刺激性のある食品として、酸味や香辛料、アルコールやカフェインなどの硬い食品や濃い味付け、炭酸飲料などは、過度に摂らないようにしましょう。

③油の多い食品は避けましょう

④過熱、過冷には注意しましょう

⑤食事をしっかり摂りましょう

4.直腸性便秘について

1)直腸性便秘とは

直腸性便秘とは、便が直腸にあっても排便反射が起こらずに、直腸内に便が停滞した状態のまま、上手く排便ができなくなるタイプの便秘です。

痔や排便を我慢してしまう習慣がある方や、高齢者の方に多く見受けられます。

便秘薬や浣腸などで、直腸にある便塊を取り除いた後に、弛緩性便秘と同様の食事を摂るようにしましょう。

規則正しい食生活、バランスの良い食事、適度な運動を取り入れて、自然な排便リズムを取り戻すことを目指しましょう。

まずは無理せず、毎日の中でできることからやってみることが大切です。

参考文献
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-010.html
https://www.eiyou-chiba.or.jp/commons/shokuji-kou/preventive/benpi/

栗林歯科医院 管理栄養士 監修

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