Q.むし歯治療の被せ物って、銀歯以外に何があるの?

1.代表的な被せ物3つ
2.セラミックスの被せ物の耐用年数
3.ゴールドの被せ物の耐用年数
4.銀歯の被せ物の耐用年数

1.代表的な被せ物3つ

代表的な被せ物の種類は、銀歯、セラミックス、ゴールドの3種類です。
その中で、銀歯のみ、保険適用内の詰め物・被せ物です。

銀歯は名称の通り銀色、ゴールドは金色をしています。
セラミックスは、白色をしていて、色が自分の歯に近い、詰め物・被せ物です。

前提としてお伝えしたいことは、被せ物はずっともつとは言えません。
被せ物を入れたとしても、歯とは違う素材のものを接着剤でつけ、自分の体重と同じくらいの力で毎日噛み続けているので、永久にもつとは言えません。

今回は、被せ物が結果としてどのくらいもつのか、ご紹介します。

2.セラミックスの被せ物の耐用年数

セラミックスは、
・5年間トラブルがなかった割合が96.7%(Fradeani 2005)
という論文があります。
そのため、当院では、セラミックスの詰め物・被せ物をおすすめしています。

また、他の論文も、5年間の間におよそ90%以上はトラブルがなかった、という論文が多いです。

トラブルが起こりにくい理由は諸説ありますが、バイ菌がつきにくく、歯と被せ物のの間などにバイ菌が入りづらいことが挙げられます。
特に、神経がない歯はむし歯になっても気付かないことが多いです。
バイ菌がつきにくく、歯と被せ物のの間などにバイ菌が入りづらいので、セラミックスの素材はとてもおすすめです。

別の論文(Morimoto S et al.2016)を引用すると、セラミックインレーの治療後、その約15%の方がむし歯になります。

・セラミック治療が10年でむし歯になる率が9%1000人治療して、10年以内にむし歯になるのはおよそ14人です。

この実験は銀歯でも行っているので、4との違いもスクロールして見てみてくださいね。

3.ゴールドの被せ物の耐用年数

ゴールドは金歯とも呼ばれ、
・5年間トラブルがなかった割合が96%・20年間トラブルがなかった割合が90%
という、こちらもセラミックスと同じく、すごい論文があります。(Donovan 2007)

また、ゴールドという素材は金属アレルギーが起きにくく、歯との密着性が高いため、むし歯の再発を防止してくれたり、歯と身体に対してさまざまなメリットがあります。

色が金色で分かりやすいのが欠点の1つですが、性能としてはとてもおすすめの詰め物・被せ物です。

4.銀歯の被せ物の耐用年数

最後に、銀歯は、
・5年間トラブルがなかった割合が74.8%・10年間トラブルがなかった割合が55.8%
という論文があります。(青山貴則ら 2008)

上記から分かるように、およそ10年以内に、何らかのトラブルで被せ物・詰め物が外れてしまったり、被せ物を外す必要があった、ということです。
銀歯は他の被せ物と比べてトラブルが多いですが、その理由の1つに、日本人のお口の中への意識の低さがあります。

日本ではむし歯などで歯を削った場合、保険診療で5,000円程度で銀歯を入れることができます。
ですが、海外では保険がないことが多く、有無を言わさずに自由診療のセラミックかゴールドを入れるしかなく、費用も1本10万円以上かかります。

富裕層・貧困層は関係なく上記の費用がかかるため、そうならないように、海外では歯を大切にする方が多い、というのが、海外の歯への意識が高い理由の1つです。

銀歯のトラブルが多いもう1つの原因は、銀歯の素材にあります。銀歯には40~50%の銀、20%のパラジウム 、12%のゴールドが含まれています。

シルバーでできた指輪を見れば分かるように、使っているとだんだん黒くなっていきますよね。あれは、溶けて(イオン化して)酸素と結びついて黒くなっています。
お口の中の銀歯も同じような現象が起き、きちんと手入れをしていても、銀歯は徐々に劣化していきます。

また、パラジウムは人体に対して有毒で、アレルギーの原因になるとも考えられています。

日本の保険治療の論文(青山貴則ら 2008)によると、金銀パラジウム(銀歯)の治療後、インレーの約72%がむし歯になります。

・保険インレーの失敗は10年でおよそ33.5%1000人治療して、10年以内にむし歯になるのはおよそ241人です。

単純に比較するとセラミックスの素材の17.9倍、むし歯になりやすい、ということになります。

このように、被せ物・詰め物1つをとっても、トラブルなくお口の中にいられる年数には、かなりの違いがあります。
噛み合わせが強い場合はセラミックではなく、ゴールドや割れにくいジルコニアという別の素材を考えたり、詰め物・被せ物の選択肢は決して1つではありません。

上記で挙げたように、

・日本人の歯への健康意識の低さ
・保険治療の材料の質の低さ
・海外での治療は保険が効かない

ことが多いなどから、健康意識も反映された数値です。

また、銀歯の治療は日本でしか行っていないので、海外の論文がないこともあり、同じ環境での比較が難しいという面もあります。

しかし、海外の論文と同じ条件なら、

・海外は健康意識が高い
・海外はフッ化物応用、セラミック治療をしている

などがあり、平均的な日本人の17.9倍、むし歯になりにくいという結果もあります。

治療を繰り返していくと、自分の歯がどんどんなくなっていき、最終的に抜歯になってしまいます。
被せ物を行う際は、値段だけでなく、ご自身の歯と身体を考えた選択をしてみてくださいね。

ですが、一番大事なことは、被せ物治療を行わず、健康な自分の歯でいることです!
治療するにあたって一番大事なのは、健康意識が高いことなので、日々むし歯にならないような取り組みを行っていきましょう!

栗林歯科医院 歯科医師 監修

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