お口の病気(むし歯・歯周病)が予防できるMTMシステム!

MTMシステム、というお口の予防システムをご存知ですか?
今回は、MTMシステムについてご紹介します。

1.健康(予防)と病気について
2.MTMシステムとは?
3.MTMシステムを行うメリット
4.MTMシステムによる治療の手順

1.健康(予防)と病気について

まずは、下記の動画をご覧ください。

日本人の平均寿命と健康寿命の差は大きく、
病気を抱える期間が平均で
・男性9.13年
・女性12.68年
という結果が出ています。

(参考文献:厚生労働省「平成22年完全生命表」
      厚生労働省科学研究費補助金「健康寿命における将来予測と生活習慣病対策の費用対効果に関する研究」)

また、
「歯が20本以上の高齢者は健康寿命が長く、要介護期間は短い」
という、歯が残っていれば残っているほど、健康で過ごせる期間が長いという結果も出ています。
(参考文献:東北大学大学院歯学研究科「国際歯科保健学分野」)

歯を失ってしまっている人を、歯が20本以上残っている人と比べると、
「認知症リスクが最大1.9倍」
「死亡率は最大1.7倍」
というデータもあるほど、歯と健康寿命は大きな関係があります。
(参考文献:厚生労働省「平成23年歯科疾患実態調査」)

また、歯周病から心筋梗塞、脳梗塞につながり、
歯周病は糖尿病(※2型糖尿病)の合併症とも言われています。

糖尿病は悪化すると、手足を切断することにもなり、重篤な病気にもつながります。
脳梗塞、心筋梗塞、糖尿病は、最悪、死に至ることもあります。

上記のように、歯から始まる病気はたくさんあります。
年齢・性別は関係なく、病気になってしまう可能性があります。

このようにならないよう、歯の病気(むし歯・歯周病)を予防し、健康寿命を延ばすことが大事です。
当院では、お口の健康(予防)として、MTMシステムを導入しています。

2.MTMシステムとは?

MTMシステムの定義とは、
「初期のリスク評価から、個々の患者に合わせた予防プログラムの立案、最小侵襲治療などを行い、定期的なメインテナンスに至るまでの流れ」
です。

具体的な内容は、大きくわけて5つの工程があるので、順を追って詳しくご説明します。

3.MTMシステムを行うメリット

MTMシステムを行うメリットは、なんと言っても、歯の寿命を延ばせる可能性が高まることです!
MTMシステムは、治療を行った後、歯や歯ぐきが再感染するリスクが低くなります。

永久歯は一生に一度しか生えてきません。
目や耳や手を失ってしまうと、戻らないのと一緒です。

歯は治療で終わるのではなく、日常的な対策と、メインテナンス(再発防止・予防)まで行って初めて、歯の健康(予防)を守ることができます。

実際、抜歯になってしまうと、義手や義足、義眼と同じように、入れ歯やインプラントで歯を補う治療を行うことになりますが、治療の費用も高額になってきます。

そしてお口が不衛生なままだと、むし歯・歯周病治療や外科処置を行っても、再びむし歯・歯周病になってしまったり、外科処置などを行った場合、手術した部分が膿んでしまったりする危険性が増えてしまいます。

しかし、その原因であるバイ菌が一定数以下になっていると、そのリスクが下がります。
患者さんにとって、とてもメリットが大きい方法です。
ぜひ、当院で病気にならないような取り組みをしていきましょう!

4.MTMシステムによる治療の手順

MTMシステムの手順をご紹介します。
大きく分けて下記の5つです。

1)痛い・違和感がある部分の応急処置をする
2)治療開始時の口腔内写真・データを記録する
3)予防プログラムを実施する
4)感染のリスクが下がってから精密治療を行う
5)メインテナンス(再発防止・予防)を行う

1)痛い・違和感がある部分の応急処置をする

・歯や歯ぐきが痛い
・歯ぐきに違和感がある
・前歯など見た目に明らかに影響がある
・詰め物・被せ物が取れてしまった

などの症状がある場合は、その部分を応急処置し、痛みの改善を行います。
被せ物などの場合は、仮歯を作成し、最終的な治療は、予防プログラムが終わってから行います。

2)治療開始時の口腔内写真・データを記録する

治療開始時のデータを記録します。
歯科医師が検査・口腔内の写真撮影を行い、現状把握します。

・口腔内の写真撮影
・口腔内のX線撮影
・むし歯の現状(むし歯はあるか・詰め物や被せ物はどのくらいあるか)
・歯周病の現状(歯ぐきからの出血はあるか)
・染め出しでバイ菌の量検査
・唾液検査でむし歯のリスク検査

3)予防プログラムを実施する

当院に既に通っていただいている方はご存知かもしれませんが、当院の予防プログラムでは、歯科衛生士が中心になって行います。
まず、データを検査した時に行った、バイ菌量の検査・歯ぐきからの出血量を一定数に下げ、その数値をクリアしていただいてから、本治療を行います。

当院では、

お口の中のバイ菌の量 15%以下
バイ菌に感染した歯ぐきの出血量 10%以下

を目標数値としています。

お口の中のバイ菌の量は、染め出しで、染め出された部分を調べます。
バイ菌に感染した歯ぐきの出血量は、来院していただいた際の、歯科衛生士が行う精密検査で調べます。

基準値をクリアしていないな場合は、歯科衛生士による施術と、歯みがき指導などを行い、バイ菌の量・歯ぐきの出血量を下げていきます。

基準値内になってから治療するメリットは、冒頭でもお伝えした通り、せっかく治療した部分がまたむし歯や歯周病になったりまったり、手術した場所が膿んでしまったりすることの防止につながります。

4)感染のリスクが下がってから精密治療を行う

目標数値がクリアした段階で、本格的に治療を行います。
症状がないむし歯の治療や、歯周病の治療、インプラントなどの外科治療など、その方の症状に合わせた治療を歯科医師が行います。

仮歯がある方は、最終的な詰め物・被せ物を入れます。

精密治療とは、隙間がなく、ぴったりした被せ物を入れることで、バイ菌が入らず、バイ菌に再感染させないことを言います。
抜歯しないために行う、根っこの治療の「根管治療」で言うと、バイ菌を取り、バイ菌がいなくなったら歯の中にお薬を詰めて土台を作り、ピッタリした被せ物をしていくこと、また、インプラントなどの外科処置は、精密に噛み合わせが合うような治療を行ったり、インプラント自体の性能を高めるために、コンピュータで計算されたシステム(ガイデッドサージェリー)を導入することを言います。

5)メインテナンス(再発防止・予防)を行う

治療が終わった後は、3ヶ月に1回、メインテナンス(再発防止・予防)を行っていきます。
メインテナンス(再発防止・予防)は、歯石を取ったり、お口のお掃除を行うことだけではありません。
常に変化する患者さまそれぞれのお口の環境に合わせてケアを行うのと、その都度のアドバイスを歯科衛生士が行います。

本格的な治療まで、時間がかかる、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、お口の中の健康を長い目で見た場合、リスクが低く、将来感染のリスクも下げられるため、おすすめの治療方法です!

MTMシステムについて詳しく聞きたい、相談したい、という方がいらっしゃったら、お気軽にお声かけくださいね!

栗林歯科医院 歯科医師 監修

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