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診療科目:歯周病Perio
歯周病は歯垢や歯石の中の細菌が原因でおこる、歯茎の炎症や、歯を支える骨を破壊してしまう病気です。痛みがなく進行するので気付きづらく、早い人では既に10代から発症し、60代では約50%の人たちが罹患しています(出典:厚生労働省 歯科疾患実態調査 平成23年より)。また歯周病菌が糖尿病、心疾患などの全身疾患や妊婦にも影響を与えることが明らかになっています。初期段階では自覚症状がほとんどありませんが、「歯磨きのときに歯茎から血が出る」・「口臭が気になる」・「歯がぐらつく」・「歯茎が腫れている」等は歯周病のサインです。放っておくと歯が抜け落ちてしまうので、早期の治療と毎日の予防が大切です。
栗林歯科医院では、歯周病治療に対する知識と経験豊富な専門医が治療にあたっています。特に手術をともなう重篤な症状や、歯周病によって下がってしまった歯茎を再生するなどの高度な治療には、精密検査と専門医による診断が必要とされます。
治療ステップ
- STEP1
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初回診察・カウンセリング
問診・視診・プロービング(探針を使った検査)による歯周病検査、口腔内写真、X線検査にて現在の状態を確認し、体質や症状にあった治療方法・治療回数についてカウンセリングをします。※中等度、重度の場合は保険適応のCT撮影を行います。
- STEP2
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歯周初期治療
歯科衛生士により、歯磨きの方法、歯ブラシや歯磨き粉の選択、補助薬の使用方法など、再発の予防に向けた日々のケアについて説明します。
初期の歯周病であれば、歯周治療専用の器具で痛みなく治療する事も可能です。
- STEP3
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歯周外科手術
ステップ2で改善されない歯周病に関しては、歯周外科手術の適応となります。歯周外科手術は、患者様の状態により多岐にわたります。
場合によっては、再生療法とよばれる歯周病で失われた骨や歯茎を含む歯周組織を回復する最先端医療が必要な場合もあります。
- STEP4
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定期診断・メンテナンス
歯周病菌は、除去した瞬間からすぐに増殖します。予防のためには、毎日の歯ブラシに加えて、2〜3ヶ月に1度の定期検診を兼ねた医院でのクリーニングを行う事が必要です。
歯周病の進行と治療法
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Level 1
歯肉炎
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歯肉だけの炎症です。
赤く腫れて歯磨きをすると出血するなどの症状があります。治療法初期治療とホームケア
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Level 2
軽度歯周炎
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歯垢と歯石が歯と歯茎の間に入り込み、ポケットを作ります。
歯槽骨(顎の骨)を破壊し始めます。治療法歯周初期治療とホームケア、歯周外科治療の併用
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Level 3
中等度歯周炎
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歯槽骨の破壊が進み、歯がぐらつき始めます。この段階になると、膿が出て、口臭が気になるなどの症状があります。
治療法歯周初期治療とホームケア、歯周外科治療の併用
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Level 4
重度歯周炎
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歯槽骨がなくなり、歯のぐらつきが激しくなります。
最終的には歯が抜け落ちてしまいます。治療法抜歯が必要です。歯のない部分はブリッジ、入れ歯、インプラントで補います。
歯周病と全身疾患の関係
最近の研究の結果、歯周病が糖尿病や心疾患など全身疾患に関係することが分かってきました。お口の健康が全身の健康につながることが明らかになってきています。
血流と歯周病菌
血管内で歯周病菌などの細菌が原因となって動脈硬化を引き起こす物質を出してプラーク(脂肪性の沈着物)をつくり、血液の通り道を細くします。プラークがはがれることによって血の塊ができ、血管を詰まらせることがあります。
関連する疾患:狭心症、心筋梗塞、脳梗塞
血糖値と歯周病菌
以前から歯周病は糖尿病の合併症の一つと言われていきました。しかし昨今の研究から歯周病菌が血糖値を下げるインスリンの働きを阻害して、糖尿病を悪化させるということが分かってきました。
関連する疾患:糖尿病
妊娠と歯周病
妊娠中期から後期にかけて分泌されるホルモンの関係で妊娠性歯肉炎が起こりやすくなります。さらに、まだ因果関係ははっきりしていませんが、歯周病に罹患している妊婦さんは低体重児、早産のリスクが高まることが明らかになってきています。
関連する疾患:妊娠性歯肉炎、早産、低体重児出産
一般的な治療とメンテナンス
歯科医院での処置
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エアフロー(保険適用)
スイス・EMS社製のクリーニング機器で、安全性の高いアミノ酸パウダーを歯に吹き付けることにより、虫歯の原因となる歯垢を痛みなく取り除きます。
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スケーリング(保険適用)
スイス・EMS社製の超音波スケーラーで、歯の表面や歯と歯茎の間にある歯垢や歯石を痛みなく取り除きます。
ご自宅でのお手入れ
歯周病は毎日のお手入れで防ぐことができます
歯垢や歯石の原因となる歯周病菌は、治療後すぐに繁殖し始めるやっかいな細菌です。歯周病の予防には徹底的な歯周病菌の除去が必要であるため、毎日のお手入れが欠かせません。栗林歯科医院では、歯周病の症状に合ったブラッシング指導を行っています。
歯周外科治療(保険適用外)
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歯肉弁根尖側移動術
– Apically Positioned Flap surgery –
- 歯周病の原因菌が滞在する歯周ポケットをなくす手術方法です。この方法の利点は、付着歯肉(細菌が侵入しにくい歯肉)を獲得できる点です。歯周ポケットが減少しているので、歯周病になりにくい環境になります。
欠点としては、歯根(歯の根の部分)が露出する為に、その部分が虫歯になりやすくなるので、手術後は、虫歯予防として歯ブラシやフッ素の応用が必須となります。
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改良型ウィッドマンフラップ手術
– Modified Widman Flap surgery –
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通常の歯周病治療では、深い歯周ポケットがある場合、歯肉で覆われている患部を目視で確認できる範囲には限界があり、歯石やバイオフィルム(原因となる細菌層)の完全な除去ができず、取り残しが発生してしまいます。この手術では、歯肉を開く事により直視下で、歯石やバイオフィルムを除去でき確実性が増します。
しかし、手術後の患部の歯肉は、上皮性付着(歯と結合しておらず細菌が侵入しやすい状態)となるため、2〜3ヶ月に1度の歯科衛生士によるクリーニングを受け、しっかりとメンテナンスを行わなければ歯周病が悪化する恐れがあります。※症状や治療の内容によっては保険の適用が可能ですので、担当医にご相談ください。
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組織誘導再生術
– Guided Tissue Regeneration –
- 歯周病により失われた骨と歯肉の間に、人工膜を挿入します。そうすることにより空洞ができ、この部分に治癒力で骨が再生します。
歯肉弁根尖側移動術や改良型ウィッドマンフラップ手術と異なり骨の再生が促せるので、歯周病に対してより安心・安全な環境を作る事が可能になります。
- 歯周再生療法
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エムドゲインまたはGEM21という歯周組織再生材料を使用します。歯肉を開いて、歯根面を清掃したうえでこの材料を塗布します。
3ヶ月間ぐらい待つと歯周組織が再生してきます。ただし、適応症が限られている為、術前にしっかりとした診査・診断が必要となります。
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遊離歯肉移植術
– Free Gingival Graft –
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歯肉が下がってしまい、歯根面が露出してくると、虫歯になりやすくなったり歯ブラシすると痛みを伴うようになります。
その部分に、口蓋(上顎の内側の固い歯肉)から歯肉を切除して移植する手術です。
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結合組織移植術
– Connective Tissue Graft –
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Free Gingival Graft 遊離歯肉移植術と同様に口蓋の部分から歯肉を移植する方法です。上皮、結合組織、骨膜の3種からなる歯肉の部分の結合組織だけを移植します。
遊離歯肉移植術より難易度は上がりますが、結合組織だけの移植となるので上皮の色(歯肉の色)に左右されずに仕上がりがきれいになります。
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