最近、歯科の世界ではデジタル化が急速に進んでいます。
その代表が、カメラでお口の中をスキャンして型取りを行うデジタル印象(口腔内スキャナー)です。
従来の型取り(アナログ印象)の流れ
① アルジネートやシリコンなど、粘土のような材料をお口に入れて型を取る
② その型に石膏を流し込み、お口の状態を立体で再現
③ 歯科技工士が、その模型をもとに詰め物・被せ物を作製
④ 完成したものをお口に装着
昔ながらの方法で、長く使われてきた信頼性の高い型取りです。
デジタル印象の流れ
① 口腔内スキャナーで歯と歯肉を撮影
② スキャンした3Dデータをもとに、技工士が詰め物・被せ物をデジタル上で設計
③ 完成したものをお口に装着
場合によっては
① スキャン
② 3Dプリンターでお口の状態を立体モデルとして再現
③ その模型の上で技工士や機械が補綴物を作製
④ 最終物を装着
という「完全デジタル」の流れも可能になってきました。
何が一番違うの?
大きなポイントはこの4つです。
・患者さんの負担
・人の手が加わる回数(=エラーの起こりやすさ)
・完成までのスピード
・データとして分析できるか
特に、患者さんの快適さは大きく違います。
デジタル印象のメリット
最大の利点は、
・口に材料を入れないので、圧倒的に楽!
・嘔吐反射が出にくい
・変形が少なく、データなので保管・転送もスムーズ
「型取りが苦手」という患者さんにとっては、大きな助けになります。
ただし、注意点もあります
デジタルだから勝手に正確になるわけではありません。
・歯を削る技術
・スキャンを行う技術
これは術者(歯科医師)の技術によって差が出ます。
たとえば、写真を撮るとき、
カメラが良くてもブレたら写真はぼやけますよね。
上手なカメラマンと、慣れていない人では
同じ景色を撮っても仕上がりが違うのと同じです。
ただし、デジタル技術は毎年進化しており、
こうした誤差やブレはどんどん減っています。
結論
現時点では「デジタルだから必ず良い」とは言えません。
ただし、デジタル化によって
・痛み・不快感が減り
・スピーディで
・精度も高まってきているのは事実です。
完全にデジタルで治療できる時代が来れば、
患者さんの負担はさらに少なくなります。
その日を楽しみにしながら、
今は「患者さんにとって最適な方法」を選び、
より良い治療を提供していきます。
追記
僕も試しにやってもらいましたが、非常に楽ちんでした!
歯科医師 手塚


