噛めなくなった…それでも食べる方法はあります。
まだ日中は暑い日が続きますが、朝夕には少しずつ秋の気配を感じるようになってきました。
こんにちは。歯科医院で受付と管理栄養士をしている加瀬です。
日々、患者さんから「噛みにくくなってきた」「食べられるものが減った」という声をお聞きします。
噛む力が弱くなると、どうしても硬いものや繊維の多い野菜、肉などを避けがちになります。
しかし、そのままでは栄養が偏り、体重や筋肉量の減少、さらには体力や免疫力の低下につながることがあります。
大切なのは「食べられる形に工夫して続けること」です。
食べやすさには段階があります。
ー自分の歯がまだ使える&義歯に慣れている時ー
やわらかく煮る・しっとりさせる工夫を
例:かぼちゃの煮物、鶏つくね
→水分を加えて加熱すると、繊維がやわらかくなり噛みやすくなります。
ー義歯が合わずほとんど噛めない時ー
歯ぐきでつぶせるやわらかさに
例:茶碗蒸し、豆腐グラタン
→たんぱく質源もやわらかい食品から摂ることで、栄養不足を防ぎます。
ー飲み込みが不安になってきた時ー
とろみやゼリー状で誤嚥を防ぐ
例:とろみスープ、ムース食
→飲み込みやすい形状にすると、むせや誤嚥のリスクを減らせます。
「もう食べられないかも…」と思った時こそ、調理法や形状を工夫することで、まだまだ美味しいごはんを楽しめます。
食べることは栄養をとるだけでなく、生活の楽しみや心の支えにもなります。
次回は“食べる力”を守る栄養とお口の体操についてご紹介します。
【参考文献】
・厚生労働省. 「高齢者の低栄養予防のための食生活支援マニュアル」
・日本摂食嚥下リハビリテーション学会. 「嚥下調整食分類2021」
・厚生労働省 e-ヘルスネット. 「咀嚼と健康」













