「きちんと歯磨きしているのに、なぜかまた虫歯が…」
そんなふうに感じたことはありませんか?
実際、患者さんの中にも「磨いているのに虫歯になる人」と「ずっと虫歯ゼロの人」がいるのは不思議ですよね。
実は、虫歯になりにくい人たちは、特別な道具や技術を使っているわけではありません。ほんの少しだけ生活の中で気をつけていることがあるんです。
今回は、歯科医師の立場から、**誰でも今日から始められる「虫歯になりにくい人の習慣」5つをご紹介します。
フロスや歯間ブラシで、”歯と歯のあいだ”も忘れずに
「歯磨きは毎日しているのに、虫歯ができるんです」
こう話す方の多くが、フロスや歯間ブラシを使っていないのが現実です。
歯ブラシでは届かない歯と歯の間には、プラーク(歯垢)が残りやすく、虫歯の温床になりがちです。
特に夜、寝る前のタイミングで使うと、口の中の細菌が増える夜間のリスクを下げることができます。
就寝前の歯磨きは、1日の「仕上げ磨き」
夜は、私たちの口の中にとって最も無防備な時間帯です。唾液の分泌が減って、細菌が増えやすくなるためです。
だからこそ、夜の歯磨きは「仕上げのひと手間」として特に丁寧に行ってください。
**フッ素入りの歯磨き粉を使い、2分以上**かけて優しくしっかり磨く。
この習慣だけでも、虫歯のリスクは大きく変わってきます。
間食の時間、意識していますか?
おやつや甘い飲み物をちょこちょこ摂ると、お口の中が酸性の状態になっている時間が長くなります。
これが歯を溶かす「脱灰(だっかい)」の原因に。
すべてを我慢する必要はありませんが、間食は1日1〜2回にまとめて、時間を決めて摂るのがおすすめです。
「食べる時間を意識する」ことが、歯を守る第一歩です。
定期検診で、自分では気づかない変化をキャッチ
どれだけ丁寧にセルフケアをしていても、完璧に汚れを落とすことは難しいものです。
だからこそ、プロによる定期的なチェックとクリーニングが重要です。
3〜6か月に一度のペースで歯科医院を訪れることで、虫歯や歯周病の「小さなサイン」を見逃さずにすみます。
フッ素入りの歯磨き粉を選ぶだけでも違う
フッ素は、歯の再石灰化(溶けた表面の修復)を助けてくれる心強い味方。
市販の歯磨き粉を選ぶときは、フッ素濃度1000ppm以上のものを選びましょう。
特に1450ppmの高濃度フッ素は、大人の虫歯予防に適しています。
ただし、お子さんが使う場合は年齢に応じた濃度を選ぶようにしてくださいね。
まとめ|歯を守るのは、特別な道具よりも日々の工夫
虫歯になりにくい人たちは、無理なく続けられる習慣」を自分の生活に取り入れているだけなんです。
最初からすべてを完璧にやる必要はありません。
気になるポイントがあれば、まずは一つだけでも生活に取り入れてみてください。
毎日の積み重ねが、きっと将来の自分の歯を守ってくれます。