Q.噛む力は離乳食の時期につくって本当?

A.本当です。

詳しくは下記でご紹介します。

離乳とは、乳汁栄養(母乳や育児用ミルク)から幼児食に移る過程のことです。

離乳食で「吸って飲む」から「噛んで飲み込む」へ移行する練習をして、徐々に噛むことを慣らします。

固形の食べ物を体験することで、赤ちゃんの唾液や消化液の分泌が増え、胃や腸での消化吸収する機能もだんだん発達していきます。

離乳食期は、4つに区分されます。

①5〜6か月ごろ ゴックン期

離乳食のスタートのサインは、首がすわって、支えれば座れる、食べ物に興味を示す、スプーンを口から出すことが少なくなるなどの時です。
1日1回からはじめて、1ヶ月ぐらい経過して慣れてきたら2回にしましょう。
調理した状態は、なめらかなドロドロ状態で、10倍がゆや、茹でてすりつぶしたものです。

②7〜8か月ごろ モグモグ期

離乳食を喜んで食べていたり、口をモゴモゴ動かして食べることができていたら、モグモグ期のスタートです。
タンパク質の食材も、少しずつ食べられるようになります。
調理した状態は、舌で潰せるかたさで、5倍がゆや、やわらかく煮て、すりつぶすなどしたものです。

③9〜11か月ごろ カミカミ期

豆腐くらいのかたさのものを、口をモゴモゴ動かして食べられるようになってきたら、カミカミ期をスタートしてOKです。
栄養素の半分以上を離乳食からとるようになります。
鉄分が不足しやすくなるので、赤身の肉や魚、納豆、小松菜、ほうれん草、ひじきなどを意識して離乳食に取り入れましょう。
歯ぐきで潰せるくらいのかたさです。

④12〜18か月ごろ パクパク期

バナナくらいのかたさのものを口をリズミカルに動かして食べられるようになってきたらパクパク期をスタートしてOKです。
いろんな食品を取り入れることで、食べ物の特徴に合わせて噛み方を変えて、上手に噛んで食べられるようになります。
味はこれまで通り、薄味にしましょう。
かたさは、歯ぐきで噛めるかたさです。

食べ物のかたさや使用する食材など、それぞれの時期に合わせて離乳食を与えます。
離乳食の味付けは、原則、ごく薄味です。
赤ちゃんは消化器官がまだ未熟なため、赤ちゃんの身体に負担をかけないようにしましょう。

離乳食の目的は、栄養素が不足しないようにすることです。
それにプラスして、自分で食べるようになることは、自立のスタートでもあります。

食事は、健康を維持し、こどもの成長や発達のために大切なものです。
離乳食などの月齢は、あくまでも目安です。
食べ物のかたさや、使用する食材は赤ちゃんの成長や発達に合わせることが大切です。

食べることは生きる基本です。
離乳食を通じて、食べる楽しさを感じてもらい、赤ちゃんの成長過程に合わせて、離乳食を進めていきましょう!
気分によって、赤ちゃんが食べないこともありますが、無理強いはせず、赤ちゃんに合わせて進めていきましょう。

【参考文献】
授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/11908000/000496257.pdf

育児大全科
(山口香織 編集/株式会社主婦の友社 発行)

咀嚼と小児の健康
https://www.jstage.jst.go.jp/article/soshaku1991/1/1/1_1_11/_pdf

栗林歯科医院 管理栄養士 監修

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