今回は、歯周病と慢性腎臓病という病気の関係についてご紹介します。
歯周病と慢性腎臓病の関係
まだ研究段階で解明されていない部分もありますが、イギリスのバーミンガム大学の研究チームが、「歯周病と腎臓疾患が双方に影響を及ぼし合う」という論文を発表しました。
慢性腎臓病とは、腎障害や腎機能の低下が、3ヶ月間続いている状態のことを言います。
成人8人中、1人がなっていると言われています。
歯周病の炎症が10%増加すると、腎機能が3%低下し、腎不全になるリスクが32〜34%上昇する、という研究結果があります。
つまり、歯と腎臓は関係があるということとなります。
腎臓の機能
腎臓は、下記のような働きがあります。
・老廃物や水分の濾過(尿を作る)
・電解質やイオンバランスの調節(血圧の維持)
・ホルモンの産生(貧血の予防など)
腎臓が悪くなると、尿量が変化したり、高血圧や手足のしびれ、貧血などに悩まされます。
症状が深刻化すると、人工透析という結果が待っています。
この慢性腎臓病は生活習慣と大きな関係があると言われており、誰もがこの病気にかかる可能性があります。
慢性腎臓病になってしまうと、完全な回復は難しいです。
そのため、この病気になってしまうと、進行して人工透析にならないように食事・生活習慣、薬でできるだけ腎臓への負担を軽減させることになります。
腎臓が悪くなった場合の食事
腎臓に負担をかけない食事は、タンパク制限食です。
お肉やお魚、豆腐、卵などだけでなく、ご飯やパン、麺類などにもタンパク質が含まれます。
つまりそれらを全て制限し、食事をしなければならなくなってしまいます。
※病気の進行具合などによって、タンパク質の摂取量は個人差があります
腎臓の機能が低下すると、タンパク質が代謝された時に出る、老廃物が排出できなくなります。
そして、老廃物が体内に蓄積すると、尿毒症という病気を引き起こすこともあります。
美味しいものを美味しく食べるためにも、定期的なメインテナンスで歯周病を予防し、生活習慣病である慢性腎臓病のリスクを減らしましょう!
<参考文献>
・慢性腎臓病 日本腎臓病学会 CKD診療ガイド2015
・慢性腎臓病 東京女子医科大学病院 腎臓内科HP
・論文 歯周病と慢性腎臓病の関連性
(英国 バーミンガム大学の研究チームによる)
栗林歯科医院 管理栄養士 監修