Q.舌にできる、ギザギザした跡は何?

A.ギザギザした跡は【歯痕(しこん)】と呼ばれるものです。
原因などについて、詳しくご紹介します。

1.歯痕ができる理由
2.歯ぎしり・食いしばりの原因
3.歯ぎしり・食いしばりの違い
4.歯ぎしり・食いしばりの悪影響
5.歯ぎしり・食いしばりの治療方法
6.普段の生活で気をつけること

1.歯痕ができる理由

歯ぎしり・食いしばりがあると、舌の横に歯痕という、歯の跡が付くことがあります。

通常、口を閉じている正常時だと、上の歯と下の歯が接触していない状態が正しいです。
ですが、常に歯ぎしり・食いしばりなどで歯が接触している状態だと、歯痕ができます。

もし、症状がひどく朝起きた時に顎が痛いなど、日常生活に支障がある場合は、治療が必要となります。

2.歯ぎしり・食いしばりの原因

歯ぎしり・食いしばりは無意識に行っているので、自分が普段歯ぎしり・食いしばりをしているかどうかは、とても分かりにくいです。

歯ぎしり・食いしばりの原因は、
・ストレスによるもの
・睡眠時に無意識で行なっている
・集中している時
・噛み合わせが悪い
だと言われています。
その中でも一番多い原因が、ストレスだと言われていて、不安・緊張などの精神的なもので無意識に歯ぎしり・食いしばりを行っています。

それ以外にも、噛み合わせが悪く、特定の場所にのみ歯が当たる噛み合わせの人も歯ぎしりをおこなっていることがあります。

また、スポーツ選手などの瞬発力を必要とする人は、瞬間的に食いしばって力を発揮していることがあります。

身体やお口の中に出る、歯ぎしり・食いしばりをしているサインをご紹介します。

1)頬粘膜圧痕がある

歯ぎしり・食いしばりをしていると、歯が頬にあたって頬の内側に白く線がつくことがあります。頬の内側を噛んでできる跡は、正式には「頬粘膜圧痕(きょうねんまくあっこん)」と言います。

2)骨隆起がある

歯ぎしり・食いしばりがあると、上顎や下顎の歯ぐきに、骨隆起という白い硬い出っ張りができることがあります。
歯ぎしりや食いしばりがあると、歯ぐきにとても強い力がかかります。歯ぐきの骨を強い力から守るために、上下の歯ぐきの骨が接触する部分が過剰に発達して、骨隆起ができると言われています。

3)舌の横に歯の跡がつく

歯ぎしり・食いしばりがあると、上記の通り、歯の跡が付くことがあります。

3.歯ぎしり・食いしばりの違い

「歯ぎしり」と「食いしばり」は似ているように感じますが、実は違うものです。

1)歯ぎしり

歯ぎしりは、上下の歯をギリギリと横にすり合わせる状態です。
ー歯ぎしりの主なパターンー
①歯を横にギリギリとすり合わせる
②歯同士をカチカチ合わせる

2)食いしばり

食いしばりは、強く噛み締めている状態です。顎は上顎・下顎がありますが、上顎は動かせないので、実際に動かせるのは下顎のみです。
下顎は筋肉で動かしますが、歯ぎしり・食いしばりを強く行ってしまう人は、顎の筋肉が過剰に動かされています。

4.歯ぎしり・食いしばりの悪影響

食いしばり・食いしばりがあると、さまざまな悪影響があります。下記のような症状の一因は、歯ぎしり・食いしばりだと言われています。

1)歯への悪影響

・歯の磨耗によって歯がしみる(知覚過敏)・歯が欠ける
・歯が割れて、噛むと痛い
・噛み合わせが深くなって、被せ物が取れやすくなる・口内炎が繰り返して、口内炎が重症化する・入れ歯が痛いなど、歯への悪影響に最終的に歯にヒビが入る、歯が欠ける、割れるなどの症状があります。

2)骨への悪影響

・歯周病がより悪化しやすくなる
・歯周病で既に骨が破壊されている人の場合、さらに歯周病が進行する

など、歯周病の方はさらに悪化する可能性が高いです。

3)顎への悪影響

・口を大きく開けにくい(顎関節症)
・口を開ける時にカクカクする
・パキパキ音がする・顎が外れる
・朝、起きた時に耳の前あたりが痛い
・以前より噛み合わせが悪くなった

4)全身への悪影響

・肩こりが起こる
・頭痛が起こる

5.歯ぎしり・食いしばりの治療方法

歯ぎしり・食いしばりがある場合の治療方法をご紹介します。

1)矯正治療を行う

矯正治療は、歯並び・噛み合わせを改善して、理想の噛み合わせに近づけます。矯正治療を行うと、歯や顎の不快さの軽減が期待できます。
一部の歯でのみ噛んでいたり、噛み合わせが良くない場合は、全体で噛めるように治療していきます。

※矯正治療は、歯ぎしり・食いしばりを完全に無くせるものではありません。

2)マウスピース療法(スプリント)を作成する

マウスピース療法(スプリント)は、顎の動きを歯科医院で測定します。

測定した結果を参考に、一番安定する噛み合わせの位置で、スプリントというマウスピースを作成します。

マウスピースを付けることで、顎の負担の軽減と、歯への直接的な負担を軽減します。

3)マウスピース(ナイトガード)を作成する

夜寝る時に使用する、マウスピース(ナイトガード)を作成します。
ナイトガードは弾力があるマウスピースです。
弾力があるので、歯同士が強く噛み合うことを防ぎます。

6.普段の生活で気をつけること

歯ぎしり・食いしばりで普段から気をつけることは、上下の歯を離すのを意識することです。意識するだけで、噛み締めなどの防止になります。

また、歯科医院で上記の治療も行いましょう。

このように、人によって違う、さまざまな症状がみられます。顎の痛みなどの症状が気になっている場合は、まずはお気軽にご相談くださいね。

栗林歯科医院 歯科医師 監修

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