Q.保険診療で奥歯の詰め物を銀歯以外にできる?

A.できます。「CAD/CAM冠」という白い被せ物があります。

1.保険適用できるCAD/CAM冠の白い被せ物
2.CAD/CAM冠がもつ年数
3.CAD/CAM冠ができる条件

1.保険適用できるCAD/CAM冠の白い被せ物

保険治療でできる白い被せ物に、CAD/CAM冠があります。
2014年から保険適応になったものがあります。

一般的に被せ物は、歯科技工士という職人さんが手作業で作成します。
ですが、CAD/CAM冠は
CAD=コンピュータで設計した
CAM=コンピュータで製造した
という意味がある通り、人間の手で作成することを極限まで減らした、コンピュータで作った被せ物です。

1)素材の特徴

CAD/CAM冠の素材は、セラミックとレジン(プラスチック)の2つからできている、ハイブリッド素材です。
2つの素材を使っているので、セラミックよりは弱く、プラスチックよりは強いという特徴があります。

2)強度の特徴

CAD/CAM冠の強度の点は、純粋なセラミックには劣るため、食いしばり・歯ぎしりが強い方に対しては、使用できません。

3)色の特徴

CAD/CAM冠の色の特徴は、セラミックなどとは違い色が単一色なので、歯科医師が見れば、写真でも比較的すぐにCAD/CAM冠だと判別しやすい、という見た目が特徴です。

2.CAD/CAM冠がもつ年数

CAD/CAM冠に関しては、
・どれくらいの期間保つのか
・どれくらいの年数で劣化するのか
・どれくらいで割れたり・むし歯になったするか
などのデータがまだありません。

データがない理由は、保険適用されて新しい材料のためです。

データはまだないですが、2017年の研究発表では、2年以内に7.5%が取れてしまうことが報告されています。(新谷明一ら 2017)
また、他の被せ物に比べて、約2倍取れやすいと言われています。

取れてしまう原因は、接着剤との相性や、被せ物の素材がだんだんと変形してしまう、などが考えられています。

また、上記にもありますが、CAD/CAM冠に使用されている歯科用のレジンはプラスチック素材のため、着色しやすいなど、経年劣化を起こしやすいというデメリットがあるため、栗林歯科医院ではおすすめしていません。

3.CAD/CAM冠ができる条件

CAD/CAM冠が使える歯には条件があります。
条件は下記の通りです。

【前歯から数えて1〜5番目の歯ができる条件】
・過度な食いしばりや歯ぎしりなど、咬合圧が加わらないこと

【前歯から数えて6番目の歯ができる条件】
・前歯から数えて7番目の歯が、上下全て残っている場合
・過度な食いしばりや歯ぎしりなど、咬合圧が加わらないこと

【金属アレルギーの方】
金属アレルギーの方に限り、6番目・7番目の歯も適用となります。
※事前に金属アレルギーを証明する医師の診断書が必要です

CAD/CAM冠は、まだまだ発展途上の材料ですが、保険治療でも銀歯でなく、メタルフリーのものが使えるということは、患者さまにとってもメリットがあると思います。
CAD/CAM冠に関わらず、むし歯の治療の際の詰め物はいくつもあるので、迷っている方は一度ご相談くださいね。

ですが、何より一番良いのは自分の歯です。
毎日の歯みがきをしっかり行って、自分の歯を守る予防の取り組みを行いましょう!

栗林歯科医院 歯科医師 監修

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