小児の虫歯について~虫歯にならないために保護者ができる6つのこと〜

こんにちは。

今回は子供の虫歯について考えていきたいと思います。

最初、子供に歯ブラシを教え、虫歯にならないようにする習慣を与えるのは保護者の方です。

子供の時から虫歯にならない習慣、歯周病にならない習慣を作ってあげることで、将来のお口の中は守られます。

私たち歯科医師・歯科衛生士はそのお手伝いができればと思っています!

 

 

−目次−

1.小児の虫歯の特徴

2.保護者ができる虫歯予防

3.歯科医院でできる虫歯予防

 

 

まずは大人の虫歯と子供の虫歯の違いがあることをご説明していきます。

<1.小児の虫歯の特徴~大人の虫歯との比較~>

 

乳歯の虫歯の特徴は、同時に多数の歯および歯面に虫歯が発症することです。

また、永久歯列では虫歯になりにくいとされている、平らな面などから初発する虫歯が多いとされています。

さらに、乳歯は永久歯に比べて、虫歯に対する抵抗力が弱いため、虫歯になりやすくもあり、虫歯になった時の進行速度も永久歯に比べて早いことが挙げられます。

 

○進行が非常に速い

虫歯が発症してからの進行速度が速く、永久歯に比べ重症となる割合がきわめて高いとされています。

特に、低年齢期に発症した歯ではこの傾向が著しく、早期に治療しても予後不良となることがあります。

したがって、小児における予防・定期診査が重要であると言えます。

 

○ 環境要因の影響を受けやすい

低年齢期は、家庭環境の影響が強く、小児自ら口腔衛生環境に気をつけるといった態度は望めないため、保護者の虫歯に対する認識と、実際に仕上げ磨きをする等の行動が虫歯の抑制を可能にすると言えます。

 

○虫歯発症に独特の年齢的変動がある

虫歯の発症は歯の種類や、その歯の中でも面によって時期が異なりますが、多くの歯種では、生えてから2年以内が最も高いとされています。

特に上顎乳中切歯(1,2番目)、下顎第一・第二乳臼歯(4,5番目)では歯が生えてきて1年以内に新生することが多いです。

 

・年齢別好発部位

①2歳頃まで:上顎乳切歯唇側面

②2~3歳頃まで:上顎乳切歯隣接面

③3歳前後:上下顎乳臼歯の咳合面

④3歳6か月以降:上下顎乳臼歯の隣接面

これはこの順序で虫歯が発生することを示しているのではなく、この時期のその場所に虫歯が発生しやすいということを示しています。

したがって、該当する年齢の子供に仕上げ磨きを行う際には、その年齢や、歯の生え方に応じた虫歯になりやすい箇所を念頭に置いて磨いてあげるといいでしょう。

 

 

<2.保護者ができる虫歯予防>

1.歯ブラシ

(1)小児用歯ブラシの選択

小児の運動機能の発達状況や歯列の状態に適したものを選択してください。保護者の仕上げ磨きには専用の歯ブラシの使用をお勧めします。

乳幼児期はもちろん、永久歯が萌出する約12歳まで、保護者による日々の口腔衛生管理は虫歯予防や歯周疾患予防において非常に重要となります。

 

 

(2)歯垢染色剤(染め出し液)の使用

歯垢染色剤(染め出し液)を補助的に使用することで、理解を深め、同時に動機づけにも利用することができます。

当院でも、染め出し液を用いた清掃を推奨しています。

 

 

(3)虫歯に対するブラッシング指導

前述したように、年齢による虫歯の好発部位の変化や、小児の精神的発達や運動機能発達状況を考慮して行うと、虫歯になるリスクを下げることができます。

代表的なブラッシングテクニックとしてはごしごし細かく磨くスクラッビング法や,円を描くように磨くフォーンズ法などが小児に適しています。

また、小児に興味をもたせて動機づけを行い、歯磨きの習慣を確立させることが重要となります。

 

(4)フッ化物配合歯磨剤

虫歯になりにくくさせるためには、歯の周辺に低濃度のフッ素が常に存在することが望ましく、低濃度フッ素を長時間作用させるには,歯磨剤として食後に供給されるのが効果的です。

その効果は30~40%とされています。うがいができる小児であれば使用を強く勧めます。

 

(5)フロッシング

虫歯の好発部位である歯と歯の間の面、いわゆる歯と歯の間は、歯ブラシだけでプラークを除去することは困難であり、デンタルフロスを用いた清掃を行う必要があります。

デンタルフロスを指や器具にかけて糸を緊張させ歯間を通過させることにより,プラークや食物残渣を除去していきます。

 

 

2.食事

歯の健康をよりよく維持していくためには、食事もとても重要な因子となります。

虫歯予防のためにはプラークの形成にかかわりの強い、含糖食品を対象としたシュガーコントロールを中心に進めていくことが重要です。

また、含糖食品は量だけでなく、性状および摂取方法も重要となってきます。理由としては、性状や摂取方法の違いにより、虫歯の発生に差が認められているからです。

 

歯面での停滞性の高い食品の場合に、虫歯の発生率は高くなります。

また、口腔内に摂取してから飲み込むまでに時間が長い食べ物ほど、虫歯の誘発性は高くなります。

そこで問題となってくるのが間食です。

 

○間食する場合の注意点

①間食の回数を少なくする(間食の時間と場所を決める)

②粘着性,停滞性食品の間食を控える

→清掃性の高い果物や野菜類の摂取を勧める

③就寝前あるいは睡眠途中のスクロース入り飲食物摂取はやめる

④遊びながらダラダラと飲食しない

⑤噛みごたえのある食品をよく噛む

⑥必要な時以外にスポーツ飲料や乳酸菌飲料を摂取しない

⑦スクロース入り飲食物摂取後は口腔内清掃を行えるようにする

 

 

 

<歯科医院でできる虫歯予防>

(1)予防填塞(フィッシャーシーラント)

虫歯の好発部位である奥歯の咬合面を予防填塞材で封鎖し、口腔内環境から遮断することによって、虫歯の発生を防ぐとともに、デンタルプラークの沈着を抑制して口腔内環境を改善しようとするものです。

シーラントは使っていくごとに削れたり、取れてしまうものなので、定期健診時にこまめにシーラントが脱落していないか確認が必要となります。

(2)フッ素塗布

歯を溶かそうとする脱灰力はプラークの量を減らす、つまり歯ブラシをすることで弱められますが、その力を化学的にさらに弱めることができるのがフッ素です。生えてきて間もない時期の歯質は、特に反応性が高く、フッ素塗布が最も効果的な時期であると言われています。

また、このフッ素は歯磨剤に入っているフッ素よりも高濃度であり、半年に1回塗布することを当院では推奨しています。

 

 

上記二つの虫歯予防は当院でも行っているため、お気軽にご相談ください!

 

ここまで虫歯についてご説明してきましたが、虫歯にならないようにすることは、歯肉炎・歯周病にならないようにすることでもあります。

これからはお子様のお口を健康に保つため、一緒に予防をしていく習慣を身につけていきましょう。

何かわからないこと、ご質問があれば、お気軽にお近くのスタッフにご相談ください!

 

 

 

医療法人社団  栗林歯科医院

歯科医師  高山 千穂