歯科検診を通じての虫歯・歯周病予防

【 歯科衛生士チーム リーダー 】 

毎日使っている車や家電に車検などといったメインテナンスをする必要があるように、歯にもメインテナンス、

いわゆる歯科検診を受ける必要があります。

人間ドック、健康診断などの医科的な検診は定期的に受けている人が多いと思いますが、

それは具合が悪くなったからでしょうか?具合が悪いところがなくてもその状態がいいのか悪いのかを確認するために

検査を受けると思います。歯科検診も同じで、いい状態を保てるように、虫歯や歯周病があったとしても早く見つけるために

受ける必要性があります。

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最近は「予防する」という概念が浸透しつつも、「何ヶ月ごとに行くのがベスト?」「歯科検診の内容は?」

「痛みや症状がなくても行った方がいい?」といった疑問は少なからずあるようで、「知らない」ことで歯医者さんから

足が遠のいていることが多いように思います。

今回はなぜ歯科検診を受けた方がいいのか、どんな内容で行なっているのかなどについて解説いたします。

topics

1.歯科検診の目的

2.栗林歯科医院における歯科検診の内容

3.セルフケアの重要性

4.歯科検診の費用について

5.定期検診の間隔

※セルフケアとは…患者さんご自身が、自宅で歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスを使って歯の汚れを取って虫歯や歯周病を予防していくことです。

 

 

1.歯科検診の目的

1−1 虫歯や歯周病、その他の口の中の病気を早く発見して、早く治療する

1−2 虫歯や歯周病にもう一度ならないように予防する

1−3 患者さん自身で虫歯や歯周病にならないようにケアしていくこと(歯磨き指導、自分にあった歯ブラシやフロスの選択)

1−4 専用の機械を使っての歯のクリーニング

 

 

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「痛くなって我慢できなくなって歯医者に行ったら、治療がとっても痛かった。それから怖くなって何もなければ

行かなくなってしまってここまで放置してしまった」

患者さんからよくこんな話を聞きます。

虫歯は痛みがある多くの場合、神経にまで達していることがほとんどで、神経の治療が必要だったり、

状態が良くないと抜歯になる場合もあります。(写真1)

(神経の治療については過去記事7月22日掲載「根管治療について」の記事をご参照ください。)

痛みがあればあるほど、治療も痛みを伴い、来院回数も多くなってしまいます。 症状が出ていない段階の小さな虫歯の場合、

麻酔も必要ない程度の簡単な処置で済む場合がほとんどです。(写真2)

早期発見であればあるほど治療の負担は少なく、また定期的にセルフケアのチェックとクリーニングを受けていることで、

虫歯や歯周病の原因を除去することができるので、それらを未然に防ぐことができます。

歯周病の場合は虫歯よりも症状が出にくく、痛みもなく進行していくため定期的に歯科医院でチェックしていく必要のある 病気

です。

 

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(写真1)                           (写真2)

 

 

2.栗林歯科医院における歯科検診の内容

2−1 レントゲン(1年に1回の更新)

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まず初めにレントゲン写真を取ります。レントゲンを撮ることで、肉眼や視診ではわかりにくい歯と歯の間の虫歯や

歯の根の状態、歯を支える骨の状態から歯周病の進行度などを見ることができます。

 

2−2 虫歯のチェック

虫歯があるかどうかはもちろんですが、歯茎、舌や頬の粘膜の状態、詰め物がしっかりあっているか、

詰め物の下から虫歯になっていないか、歯並び、噛み合わせの状態、顎関節の状態なども同時に検査していきます。

 

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2−3 歯周病の検査

歯と歯茎の境目には歯周ポケット(歯肉溝)という溝があり、そこにプローブという専用の器具を挿入して深さを測ります。

正常値は~3ミリ、4ミリ以上は歯周病の可能性があります。

 

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2−4 口腔内写真(14枚法、顔貌写真 1年に1回更新)

歯茎や歯に肉眼で見たときにどのような変化があったかを記録する目的で撮影します。

病態の変化を見るだけでなく治療の効果をBefore、afterで見ることができます。

 

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2−5 歯のクリーニング

 

お口の中の汚れは毎日しっかり歯磨きしたつもりでも歯と歯の間や、一番奥の歯の外側など磨き残しが出てしまうものです。

歯のクリーニングでは、主に患者さん自身では磨ききれなかった汚れや、歯ブラシでは取れない歯石、コーヒーなどによる

着色汚れを除去していきます。

また歯肉溝(歯周ポケット)と呼ばれる溝の中にはバイオフィルムと呼ばれるネバネバした細菌の集合体ができます。

バイオフィルムは実は身近なところに存在しています。

お風呂の排水溝や三角コーナーのヌルヌルと同じで水をかけてもたわしやスポンジなどでこすらなければとれません。

それと同じでお口の汚れもブラシや機械を使ってとることが重要です。

歯茎の溝は歯ブラシでは届きにくい部分なので専用の細い器具を使って定期的に除去していく必要があります。

 

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3.セルフケアの重要性

「定期検診に来ていれば虫歯、歯周病は完全に防げますか?」

答えはNOです。

お口の健康を維持するために重要なことは90%が日常のケアです。毎日歯医者でクリーニングを受けるという人はまずいません。

患者さん自身で歯磨きをしてもらうタイミングの方が圧倒的に多いわけです。

そのため、しっかりと患者さん自身が自分のお口の中について理解した上で、自分にあった口腔ケアを日常的に行なっていく

必要があります。

患者さんひとりひとりに合った口腔ケアの方法、歯ブラシを始めとする口腔ケア用品については歯科衛生士の方から

ご提案させていただきます。

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4.歯科検診の費用について

当院では基本的に3ヶ月に一回の検診を推奨しています。その方のお口の中の状態によっては期間が短くなる場合もあります。

3ヶ月に一回歯医者に行くとお金がたくさんかかるのでは?時間もかかるし…

そう思われる方もいるかもしれません。

 

では実際どれくらいかかるのか。

当院での1回あたりの検診料はおおよそ3000円、一年に1回は写真とレントゲンを更新しますので4000円。

3ヶ月に1回来院して年4回。1年間で13000円ほどです。

50年間、歯科検診に通い続けたとしても65万円。当院でインプラントを1本入れた場合で60万円ですから、このふたつに

大きな差はありません。数年ぶりに来て、もうすでに歯を残せない状態で抜歯になってしまった…他の箇所も治療の必要がある…

こうなると費用も高額になり、さらに通院期間も長くなります。

 

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歯科検診に定期的に行っていた人とそうではない人の生涯医療費の差を比べた調査があります。

それによると、歯科の定期検診を受けている人は、48歳までは総医療費が定期検診費用で年間2万円ほどプラスになり

平均より高いですが、49歳を過ぎると平均を下回る結果になりました。

歯の健康と密接な関係がある、生活習慣病などのリスク下がることも要因の一つと考えられています。さらに65歳を過ぎると

総医療費平均が35万円に対し、定期検診を受ける人は20万円以下とその差がだんだんと広がっていきます。(図参照)

歯が悪いと食べられるものが限られたり、それによって食事が偏ったり…身体が健康でいられなくなります。

それが、生活習慣病や骨粗鬆症などを招き、体全体の健康に影響を与えるのかもしれません。

この結果から定期検診に行った場合の方が生涯医療費は抑えられるということがわかります。

     B0E5CEC5C8F1A4C8A5E1A5F3A5C6A5CAA5F3A5B9(トヨタ関連部品健康保険組合(豊田市)と豊田加茂歯科医師会の

                                                 共同調査より)

5.定期検診の間隔

前述しましたが、歯科検診は3ヶ月に1回をすすめています。

その理由が歯肉溝内(歯周ポケット内)の細菌の後戻り期間です。

歯科検診時に歯肉溝内の細菌を除去したとしても4~11週で後戻りが起き、3ヶ月~6ヶ月の間にまた元の状態に戻る、

と言われています。

その人によってお口の中の状態は違うので必ずしも3ヶ月というわけではありませんが、症状として出る前に検診でチェックを

受けた方がいいです。

 

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今回は検診の概要について投稿させていただきました。検診費用など、高いか安いかの感じ方はそれぞれ違うかと思います。

「定期検診」という保険をかけて、抜歯や神経の治療といった重い処置を避ける。インプラントや被せ物といった高額な治療費を

避ける。

一見、時間もお金もかかりそうですが、長い目で見たときに多くのメリットがあると思います。

「最近歯医者に行ってないな…」そう思った方は、一度ご自身のお口の状態も把握するために、歯科検診に来てみませんか?

何かご不明点があれば、スタッフにおたずねください。

医療法人社団 栗林歯科医院 歯科衛生士 森明子