- ホーム
- Information
- スタッフブログ みんなが知りたい“歯”のはなし
- お口ぽかんと口呼吸
お口ぽかんと口呼吸
こんにちは。本日は子供の『お口ぽかん』について お話しさせて頂きます。
○『お口ぽかん』と口呼吸
お口ぽかんとはその名の通り、お口が長時間開いてしまっていることを言います。
臨床的には「口唇閉鎖不全症」として定義されています。
よく保護者の方から、子供がいつも口を開けているというお話を伺います。
では、見た目以外にお口ぽかんは何が問題なのでしょうか。
お口ぽかん=口で呼吸しているとは必ずしも限らないのですが、口呼吸の有無の判断材料として役立ちます。
つまり現在口呼吸していなくても、口呼吸の予備軍と言えるわけです。
平成26年に実施された全国調査では、約3割の小児において口呼吸が疑われる結果となりました。
日常的に口呼吸をすることによって、歯科的な問題として、慢性的な口腔乾燥を引き起こし、それによる唾液の機能低下から、
重度な虫歯や重度の歯周病引き起こす可能性があります。
他には、歯並びが悪くなる可能性も考えられます。理由としては、歯は唇の圧と舌の圧が均等されたところに位置しようとするのですが、唇の圧が弱いことによって特に上の前歯が前に出てきてしまうからです。
また口呼吸は歯科的問題だけではなく、気管や肺に直接外気が流入することで炎症が惹起され、
慢性的なアレルギー性鼻炎や口蓋扁桃肥大を引き起こす可能性も挙げられます。
小児の口呼吸の判断基準として12個の項目があげられます。
①唇にしまりがない ②口を開けて寝る ③口がよく乾く ④上唇と下唇の間から歯が見える
⑤1分以上口を閉じられる ⑥くちゃくちゃ音を立てて食べる ⑦睡眠中鼻がつまりやすい
⑧食べている時に口を閉じている ⑨出っ歯 ⑩日中、鼻がつまりやすい ⑪昼、口臭がある ⑫朝、口臭がある
これらのうち1つ以上に該当する項目があれば、口呼吸が疑われます。
また、口呼吸の方の顔貌の特徴として、鼻の高さが低い、上唇/下唇が突出している、下顎の位置が後方へ下がっている等が挙げられます。
これらの判断基準を基にご自身の子供に口呼吸が疑われた場合は、一度歯医者に来院していただき、ご相談していただければと思います。
お口ぽかんで口呼吸をする子供は、早い段階で口唇閉鎖の習慣を獲得する必要があります。口呼吸の原因を解明・除去し、
さらには口腔周囲の筋肉のトレーニングを行うことが必要となります。
当院では歯並びとともに口腔内周囲の筋肉のトレーニングもできるムーシールドやトレーナーの治療がございます。
また矯正治療をするにあたっての口腔周囲の筋肉のトレーニングするMFTもご指導させていただいていますので、興味のある方は院スタッフまでお声掛け下さい。
小児期に口唇閉鎖の習慣を獲得することによって、一生涯を通じた良好な口腔機能を獲得することが可能になりますので、患者様に合わせた早めの治療を行
いましょう。
栗林歯科医院
歯科医師 高山 千穂
記事執筆者

歯科医師の高山千穂です。 患者様一人一人とのコミニュケーションを大切にし、 寄り添った治療を心掛けてまいります。 宜しくお願い致します。