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ヨーロッパの根管治療の現状
今年の6月にスウェーデンのイエテボリに研修に1週間行ってきました。
スウェーデンに日本からの直行便がないので乗り継ぎを含めて15時間くらいです。
イエテボリという街の主な交通機関はトラムという路面電車です。
大学までこのトラムに毎日乗っていました。
ここはイエテボリの中で「Haga地区」と言われる場所で、石畳みになっていて昔のヨーロッパの雰囲気を感じられるところでした。
スウェーデンでは6〜9月まで白夜となっていて、
上の写真は夜23時に撮ったものです。とても明るかったです!
こちらがイエテボリ大学です。スウェーデンでは4つの大学しか無く、全て国立です。
ここで5日間、根管治療について勉強しました。
では、根管治療についてお話しします。
根管治療とは何かは、以前、みんなが知りたい“歯”の話のブログのなかにもありますので
詳しく知りたい方は以下のタイトルをクリックしてください。
スウェーデンでは20歳までは国の社会保障で医療費は無料です。
その代わり税金が高く、国民健康保険が無いため、すべて自費(私費)になっています。
20歳までに虫歯になることはほとんどないそうです。
なので、大学病院に根管治療で来院される患者様は40、50代が多く、再治療が多いそうです。
また根管治療で歯を保存する場合でも高額な治療費になります。
このようなことを踏まえて
まずは虫歯にならないようにすることが大事です。
予防に関しては、みんなが知りたい“歯”の話のブログの
をクリックしてください。
予防していて、虫歯になってしまったら今度は「歯の神経を残す」ということが大事になってきます。
一時的な痛みは生活に支障がなければ、そのまま様子を見ることをお勧めします。
それでも痛みがある場合は
神経を取る、根管治療が必要になってきます。
根管治療をする場合は、細菌の感染を抑えることが大事になってきます。
細菌の侵入を防ぐために、滅菌した器具やラバーダム防湿をする必要があります。
当院の滅菌レベルも高いものを使っています。
当院では根管治療の際は必ずラバーダム防湿をしています。
唾液の中には無数の細菌があるので唾液(細菌)の侵入を防ぎます。
根管治療の目標(ゴール)は
歯の中の神経が入っている管(根管)の中のバイオフィルム(細菌)を無くすことが目標になります。
そのためにはしっかり洗浄・消毒が必要になります。
何回か繰り返し、バイオフィルム(細菌)が無くなれば、
根管の空洞(隙間)を埋めるために、最終的なお薬を入れて終わりになります。
スウェーデンに行っていみた感想は
1、長年の研究データに基づいて根管治療を行っている。またバイオロジー(細菌学)の考え方がベースになっている。
2、滅菌レベルが高い。
3、スウェーデンの歯科治療と日本の歯科治療は同じこともあったが、経済的な問題も関わっている。
当院でもスウェーデンと同じような治療レベルを提供できている部分もありますが、
より質の高い治療を提供できるよう、
今回学んできたことを、スタッフ全員で共有していきたいと思います。
記事執筆者

歯科医師の堀口です。 患者様、一人一人が笑顔になって頂けるように治療をさせて頂きます。 よろしくお願い致します。