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親知らずの抜歯前後の注意するべき5つのこと
6月30日の記事で親知らずについて書かせていただきました。
こちらでは、術式について書かせてもらいましたが、
今回は、術前・術後の注意事項について書かせていただきます。
1- 親知らずを抜く前に気をつけること
2- 親知らずを抜いた後の痛みについて
3- 親知らずを抜いた後の腫れについて
4- 親知らずを抜いた後の出血を防ぐ方法
5- 親知らずを抜いた後に痺れが残った時の対処法
1- 親知らずを抜く前に気をつけること
特に埋まっている親知らずを抜歯するときは、以前も書かせていただいたように歯茎に切開を加えたり骨を削ったりと、開業医レベルで行う処置の中で患者さんに与える侵襲は大きい方なので、しっかり麻酔を効かせます。
下顎孔伝達麻酔と言って親知らずの周囲だけではなく、抜く側の舌まで痺れる麻酔を打ちます。
基本的に麻酔を打ったら2〜3時間は麻酔が効いた状態が続きます。
麻酔が効いた状態で食事をすると頬を噛んだり火傷をしたりしますので、控えた方が良いです。
つまり術前はしっかり食事をとり、しっかり前日は睡眠をとることが大切です。
親知らずを抜く。
緊張しますよね…
特に若い女性は、
貧血や迷走神経反射と言って失神することが極々稀にあると言われています。
少しでも、体調が悪かったら日程を変更する勇気も大切です。
2- 親知らずを抜いた後の痛みについて
抜歯後、麻酔が切れ始めたらお痛みが出始めます。
個人差はありますが、大体の方は1週間もすれば痛み止めは必要なくなります。
ただ、抜歯後治癒不全、ドライソケットと言って抜歯後にお痛みが出るような偶発性が生じることがあります。
抜歯した後2.3日した後、急に痛みが出てきたりズキズキとした痛みが続く場合は、ドライソケットが疑われるので早めに抜歯したクリニックに連絡することをお勧めします。
もう一度言っておきます。
お痛みの感じ方は人それぞれです。少しでも不安がありましたらクリニックに連絡しましょう!
ちなみに、僕自身埋まってる親知らずを抜いたとき3週間近くは痛み止めを離せなかったです。
3- 親知らずを抜いた後の腫れについて
腫れに関しましては、術後48時間〜72時間後がピークと言われています。
腫れというのは、疼痛(痛み)・腫脹(腫れ)・発赤(赤くなること)・熱感(熱を感じること)・機能障害(口が開きにくくなるなど)の炎症反応の一つです。
簡単に言うと、傷が治るための反応の一つです。
腫れを防ぐ方法を挙げていきます。
・冷やす
抜歯後24時間位は冷えピタか冷たいタオルで冷やすと炎症反応を抑えることができます。それ以降は冷やすと逆効果です。
・体調は万全にしておく
その他、炎症反応も体の反応なので免疫力が必要です。要は、しっかり食事をとり水分補給して体調を万全にしておくことです。
・喫煙、アルコールは控える
・食事に気をつける
固いものや辛いものは控えるのが良いでしょう。
・強いうがいはしない
歯を抜いた穴には血液が固まっていき骨に置き換わっていきます。
強すぎるうがいをするとその血の塊が取れてしまいお痛みが出てしまうことがあるからです。
4- 親知らずを抜いた後の出血を防ぐ方法
術後最も気にしなければいけないことは、出血です。
大学病院に勤務していた頃、当直にて抜歯後の出血で運ばれてくる方が殆どでした。
ごく稀に輸血が必要な位の出血で運ばれてくる方もいますが、ご自身で解決できることもあります。
血が滲んできたなと思いましたら、ティッシュなどをギュッと5分噛んでください。
殆どの場合はそれで血が止まります。もし、何分経っても血がドバドバと出てくる場合は、他の策を考えましょう。
他の策とは、まずは、歯を抜いたクリニックに連絡してみるのが良いかと思います。
後は、
・風呂ではなくシャワー程度にする
・お酒は控える
・激しい運動は控える
等、出血しやすくなるような行動は特に歯を抜いた日は気を付けましょう。
歯を抜いた翌日以降は血が固まってくるのでそれほど出血のリスクはないと思われます。
5- 親知らずを抜いた後にしびれが残った時の対処法
冒頭で書かせていただきましたが、抜歯する前に必ず麻酔をします。
その麻酔は個人差はありますが2〜3時間で効果はなくなります。
人によっては5時間くらい麻酔が効き続ける方もいますが、翌日も
・麻酔がきれていない
・触った感覚が鈍い
といった症状がある方は、神経の麻痺が疑われます。
親知らずを抜く時に損傷が生じる可能性がある神経とは、三叉神経と言い、特にその枝の下顎神経が関わってきます。
この神経は感覚神経といって知覚を司どる神経です。
とは言ってもピンとこないかもなので簡単に言うと、見かけではわからない神経ということです。
顔の表情を司る神経は顔面神経と言ってまた別の神経です。
もし麻痺が起きた場合の治療方法は大きく分けて二つあります。
・お薬
この治療の場合は半年から1年かかります。早期発見早期治療が大切です。
・大学病院やペインクリニックにて神経節ブロック
どちらの治療法も早期発見、早期治療が大切です。
おかしいなと思ったらすぐに連絡しましょう。
今回の記事は、文字だけなってしまいました。
沢山写真はあるのですが血液が写っていたりと、読んでいただいた方に不快感を与えてしまう恐れがあったので、文字だけとなってしまいました。
奥歯が、腫れてる
ズキズキ痛い
噛むと違和感がある
などなど、心配事がありましたらすぐにご連絡いただけると幸いです。
栗林歯科医院 歯科医師 津島克哉
記事執筆者

栗林歯科医院 院長の津島 克哉と申します。 医療技術の進歩に伴い、人生100年時代と言われています。 そこで、10年、20年先を見据えた長期予後に重きを置き、一本でも多く歯が残り食事に困らない人生をサポートしていきます。 また、局所的な『歯』を治すだけではなく、『人』『全身』を考えた治療を行うよう、日々研鑽を積んでおります。 大学病院で学んだ、全身管理の知識も生かし、最適な治療を提案いたします。 最後になりますが、私は患者さんとの『対話』も非常に重要であると考えております。 そこで、『心の声』にも耳を傾け、治療を進める上で患者様に納得して頂ける様、丁寧な説明も心掛けております。 どんな些細なことでも結構です。 いつでもご相談下さい。 宜しくお願い致します。