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口腔外科 〜親知らずと外傷について〜
歯科医療において様々な分野がある中で、『口腔外科』についてお話します。
今回は以下の二つの病気について説明していきます。
1)親知らずの抜歯
2)外傷
1)親知らずの抜歯
《症状》
・奥歯の歯茎が腫れている
・奥歯辺りから変な膿が出ているような気がする
・ズキズキ痛くて夜も眠れなかった
・顔が腫れている
大体このような症状を訴えます。
そして、レントゲン写真を撮ってみると
ん!?
どこ!?
さらに拡大してみますと、
存在しないと思っていた親知らずが埋まってる…
このような生え方をしていている親知らずを我々は
完全埋伏歯、水平埋伏歯と言います。
これって珍しい?
とよく患者さんに聞かれますが、
統計データは見つかりませんでしたが、むしろこのような生え方をしている方の方が多い気がします。
この埋まっている親知らずの周りに細菌がたまってしまい炎症を起こしてしまうと、痛みと腫れと排膿(膿が出ること)が生じます。
一番奥の歯のさらに奥をしっかり歯磨きすることは中々容易ではないですね。
先生早くこの痛みから解放して下さい!!
と、わらにもすがるような体験をされたことがある方もいるかと思います。
個人差はありますが大体、20歳位で親知らずは完成し、基本的に親知らずの位置が移動することはありません。
つまり、いくら待っても親知らずは生えてきません。
一度、腫れてしまったら、抜かない限りまた腫れてしまいます。
ですから、早めに抜きましょう。
という流れになります。
親知らずの抜歯は難しいですか!?
と患者様に良く聞かれます。
正直言って、簡単な処置ではないです。
ただ、栗林歯科医院の歯科医師はトレーニングを積んでおり、ちゃんと抜歯することができるのでご安心下さい。
大学病院や、総合病院にご紹介することも可能ですが、抜歯方法は基本的に同じです。
一つ違いがあるのは、歯科治療が怖いという方は大学病院で全身麻酔或いは静脈内鎮静法といった方法を用いて抜歯を行うことができます。
簡単に言うと、意識がない状態で抜歯ができるということです。
また、入院することも可能なので、ご希望された方はご紹介することも可能です。
抜歯後は、正直どこで歯を抜こうが、痛み・腫れ、場合によっては痺れ(麻痺)も生じることがあります。
どのように抜歯をするかと言いますと、
このように、メスで歯茎を切ったり骨を削るので腫れます。
私も、以前大学病院で埋まっている親知らずの抜歯を行いましたが、
腫れましたし、痛かったです。
もちろん、腫れてから抜くのではなく腫れる前に予防的に抜歯を行うのもお勧めします。
しかし、真っ直ぐ生えている方は、歯の移植と言って他の部分の歯が抜けた後その親知らずを移植することも可能な場合があります。
ですから、一概に抜歯をすることをお勧めしませんが、まずは歯科医師に相談下さい。
2)外傷
お子様から大人まで、転倒によってはが欠けたり折れたりすることがあります。
大体の場合は、少し歯がグラグラする程度の場合が多いですが、実際に歯が抜け落ちてしまうこともあります。
そういった場合、まずは歯科医師に診察をしてもらうことが重要ですが、歯科医院に辿り着くまでにでき得ることもありますので、そちらをご紹介させていただきます。
例)転倒により歯が抜け落ちた場合。
まず、すべきことは!?
歯も大切ですが、まずは命が大切です。
意識の確認を行った後、出血しているか確認しましょう。
もし出血している場合は極力清潔なテッシュなどで出血点を圧迫して下さい。
そして、抜け落ちた歯は抜けた箇所に入れるか、冷たい牛乳、生理食塩水につけて歯医者さんに持って行って下さい。
乾燥させるのは絶対ダメです!
そして、あまり時間を空けてはいけません!
では、前歯が抜け落ちた患者さんの写真を特別に患者さんから許可を得たのでご紹介させて頂きます。
右上の前歯(正面から見ると左上)が抜けてしまい来院された患者さまです。
抜けた歯は口腔内に保持された状況で来院されました。
このように、初期に適切な処置が行われたので、1ヶ月後には
抜ける前の状況に戻すことができました。
もちろん、ただ固定するだけではなく、神経の治療なども行っています。
お口の中だけではなく転倒などをしてしまった場合はまずは冷静に行動することが大切です。
以上、今回は二つの口腔外科的対応についてお話しさせていただきました。
何か、お困りなことがありましたら、いつでも気軽に栗林歯科医院のDrに相談して下さい。
医療法人社団 栗林歯科医院 歯科医師 津島克哉
記事執筆者

栗林歯科医院 院長の津島 克哉と申します。 医療技術の進歩に伴い、人生100年時代と言われています。 そこで、10年、20年先を見据えた長期予後に重きを置き、一本でも多く歯が残り食事に困らない人生をサポートしていきます。 また、局所的な『歯』を治すだけではなく、『人』『全身』を考えた治療を行うよう、日々研鑽を積んでおります。 大学病院で学んだ、全身管理の知識も生かし、最適な治療を提案いたします。 最後になりますが、私は患者さんとの『対話』も非常に重要であると考えております。 そこで、『心の声』にも耳を傾け、治療を進める上で患者様に納得して頂ける様、丁寧な説明も心掛けております。 どんな些細なことでも結構です。 いつでもご相談下さい。 宜しくお願い致します。