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インプラント
今回は“インプラント治療”について投稿します。
今、世の中に多くのインプラント治療が広がっており、実際にインプラントをされた患者様の声やインターネット等、たくさんの情報が流れています。
多くの情報がある中で、「情報がたくさんありますが、結局のところどうなのですか!?」「ニュースでこんな報道がありましたが、、、」といった質問もよく聞くようになりました。
そこで、インプラントについての正しい知識を得ていただき、インプラントを考えていらっしゃる方々に少しでも参考になればと思い、この記事を書かせていただきました。
《目次》
1、インプラントはなぜするのか?
2、インプラント治療の実際の手順
3、インプラント治療の利点・欠点(インプラント以外の治療方法と比較して)
4、インプラント治療をする上で重要なこと
上記項目について、順番に説明していきたいと思います。
1、インプラントはなぜするのか?
まず、お口の中の治療で考えなければならないのは、“虫歯・歯周病・噛み合わせ・予防”です。
虫歯や歯周病によって、歯を抜かなければならなくなった場合に、 インプラント治療は、“歯を失った箇所にインプラントを入れることにより、噛み合わせを再構築させる”ために行います。
歯科治療の最終ゴールは、噛み合わせの再構築です。
歯を1本でも失い放置すると、上記の図にあるように歯が移動してきてしまい噛み合わせの崩壊が始まっていきます。
噛み合わせの崩壊は、噛む力が衰える・食べ物が詰まりやすくなるといった支障をきたし、虫歯や歯周病はもちろん、顎周辺の筋肉の痛みや炎症を引き起こす顎関節症など、さまざまな問題が生じてきます。
インプラント治療はその崩壊を未然に防ぎ、かつ入れ歯とは違い天然歯と同じような噛み合わせを再現する、ということを可能にする治療方法になります。
他にも歯がない箇所への治療方法はありますが、それは3の項目で記述します。
2、インプラント治療の実際の手順
では、実際にどのような手順で行うのか?を説明いたします。
①インプラント精密検査
レントゲン撮影、型取り、模型作成等を行い、診査診断を行います。
②インプラント1次オペ
歯が無い箇所の歯肉を切開し、その部分の骨にインプラントを入れていきます。
切開した部位を縫い合わせ、骨とインプラントが結合するまで2〜3ヶ月ほど待ちます。
③インプラント2次オペ
歯ぐきに埋まっているインプラント部分にキャップを付けていきます。
歯ぐきが治るまで1〜3ヶ月ほど待ちます。
④インプラントの被せ物を装着
型取りをして、被せていきます。
※この後、メインテナンスへ移行していきます。
3、インプラント治療の利点・欠点(インプラント以外の治療方法と比較して)
①インプラント以外にも入れ歯・ブリッジという治療方法があります。
②インプラントの利点
・骨と結合させて噛むようにするため、元々あった天然歯と同等の咬合力を再現することができる。
・審美性に優れている。
インプラント周囲の歯ぐきも含めて、天然歯と相違ない状態にできる。
・きちんとメインテナンスを行っていけば、長期的に保つことができる。
③インプラントの欠点
・外科的治療が必要である。
・インプラントを入れる部位の骨が十分量ない場合、骨を作る処置が必要になることがある。
・骨とインプラント結合する期間、 骨が成熟する期間、歯ぐきが治る期間など、待つ期間が長く必要になる。
・全身疾患がある場合、骨の量が非常に少ない場合などは、インプラントができない場合がある。
インプラントは非常に優れた治療法ですが、歯科医師-歯科衛生士-患者様の連携・協力があって初めて達成される治療法です。
4、インプラント治療をする上で重要なこと
インプラントをする上で、気をつけなければならないことがいくつかあります。
①正しい診査診断が可能な設備が整っていること。
これは、下顎の奥歯にインプラントを予定している患者様に対して、CT(3次元的レントゲン撮影)にて診査診断しているものです。
下顎の場合、下歯槽神経という神経が顎に沿って走っています。ですから、インプラントを行う場合はCTにて下歯槽神経まで十分な骨の厚みがあるか?を診査診断することが必須であります。
これにより、安心安全なインプラント治療が可能になります。
むしろ、CT撮らずにインプラント治療は不可能です。
②消毒・滅菌がなされていること。
滅菌とは、増殖性を持つあらゆる微生物(主に細菌類)を完全に殺滅又は除去する状態を実現するための作用・操作をいいます。
インプラントのような外科処置を行う場合、あらゆる器具を滅菌し、感染のリスクを限りなく低くすることが必須となります。
③チーム体制が整っていること。
インプラントに限らずですが、医療はチーム力が非常に重要になってきます。
インプラントに関して言えば、施術を行うDR、アシスタントワークを行う第1・第2アシスタント、必要あれば麻酔科医との連携。
難しいケースの場合は、インプラント専門医のDRでの施術。
全身疾患をお持ちの患者様の場合は、かかりつけ医との連携も必要になってきます。
緊急事態が起こった場合は、AEDや点滴等も必要になります。
あらゆることを想定しておくことが必要になってきます。
④使用しているインプラントメーカー。
当院ではstraumann、Astra、Camlogというメーカーのもとを使用しています。
どのメーカーも非常に研究がなされており、特に私はstraumannを好んで使用しています。
なぜなら、straumannは世界一のシェアで、かつ歴史のあるものですので、多くの研究もされており、安全性の高いものであります。また、アフターケアも非常にしっかりしています。
世界一のシェアなので、インプラントを行っているどの国ででも、どの種類のものか分かります。
いろいろなメーカーがあり、どこのものも優れていると思いますが、歯科業界であまり聞いたことのないようなメーカーを使用しているのは注意が必要かもしれません。
⑤アフターケアがしっかりしていること。
インプラント治療は、インプラントしたから終わりではありません。
むしろ始まりです。
インプラントはきちんとしたアフターケアを行えば長い間維持出来るものですが、きちんとしたアフターケアがなされなければインプラント周囲の歯周病などに罹患してしまうものです。
どんな高級車であっても、アフターケアをしていかないとすぐに故障してしまうのと同じです。
我々としては、治療開始前から治療終了後まで、プログラムを組んで治療を行っていきます。
そして、治療終了後の予防に関しても、きちんとした説明とプログラムのもと行っていきます。
歯科医院を治療ではなく“予防”のために通う場所にしていきましょうね!!
いろいろと書かせていただきました。
ただ、まだまだ皆様に知っていただきたいことがたくさんあります。
正しい知識を得て、より良いインプラント治療を行っていけるよう、今後も定期的にインプラントについてアップしていきますので、ぜひともよろしくお願い致します。
医療法人社団 栗林歯科医院 第2診療所・院長 窪田悠
記事執筆者

歯科医師の窪田悠です。 多くの方々に口腔健康を提供できるよう、 口腔健康観のさらなる向上と 質の高い治療を提供してきたいと思っております。 何卒、よろしくお願いいたします。