小児矯正治療は歯を動かすだけでなく、成人の骨格へと成長する思春期成長期に入る11歳より前に、顎の骨を拡大したり、上顎を後ろや前に引っ張ることによって、骨格の大きさや形を改善します。第1期にあたる早期治療では、土台となる骨格の成長の軌道を修正し、思春期成長期に骨格の問題が大きくならないように治療します。同時に歯の生え方の問題にも対応します。成長終了後の第2期にあたる動的治療では、歯並びの仕上げ治療を行います。大きな問題が第1期治療で取り除かれているのでより効率的に、より美しく仕上げることができます。このように2段階の矯正治療を行うことで、抜歯や外科的矯正が必要となる確率を低くすることが可能です。


早期治療と動的治療

フロー図

治療準備

検査の結果を踏まえて、矯正治療を開始する前に行うべき処置をします。矯正前に治療が必要な虫歯や歯周病があればその治療を行います。一部の叢生(歯の表面と高さが不揃いな状態)などの症状によっては、抜歯を行ったり、MFT(筋機能療法)や歯胚除去(未熟な親知らずを取り除く)を行う場合もあります。特殊なケースを除き、事前処置は当医院で行うことが可能です。併せて歯のクリーニングや矯正開始後のブラッシング指導も行います。

早期治療(第1期)

永久歯が生え揃わないお子様については、顎の成長を管理しながら治療を開始します。早期治療を行うことで、顎の成長を適切に管理、コントロールしながら、比較的負担の少ない治療が可能です(骨の成長が止まってからでは外科的な治療が必要な場合もあります)。治療開始時期は一般的に7〜10歳ころ。受け口の場合は6歳前後から始める場合もあります。月1回程度の通院を1〜5年程度行います。

経過観察期間

永久歯の萌出が完了していない場合や一部の症状によっては、動的治療に進む前に、一旦経過観察期間を設けます。矯正装置を外し、保定装置に切り替えて、一定期間経過を観察します。通院回数、期間は症状によって異なりますが、3ヶ月に1度のペースを目安に通院いただきます。

精密検査

経過観察期間を含む早期治療が終了したら、レントゲン検査や診察など、歯並びや顎の状態をチェックし、第2期にあたる動的治療に進むための準備を行います。検査のタイミングは、上顎の成長がほぼ止まる11歳です。

メリットと注意点

小児矯正の一番のメリットは、顎や歯が発育途中なため、それらの成長過程に合わせてコントロールしながら治療することが可能で、成人矯正に移ったとき永久歯を抜歯するリスクを減らすことができます。ただし、歯磨きの徹底や可撤式装置の装着時間を守っていただくためにはご家族のサポートが必要です。また成人よりも治療期間が長期にわたる可能性が高くなります。